インタビュー 初期研修医

幼い頃から山や川にいる生き物に興味があって、自然の中で遊ぶのが好きでした。研修先の病院を選ぶ際、山に囲まれた自然豊かな場所で働きたいと考え、いくつか候補があった中で、見学をして印象に残った久美愛厚生病院にお世話になろうと決めました。
見学をした際の最初の印象は、きれいな病院だなということ。新築移転してから10年以上経っていましたが、新築ではないかと思うほど清潔感がありました。医師の先生方はとても親切で、率直にいろいろ話を聞かせていただき、研修をするイメージが沸きました。
決め手となったのは、高山を気に入ったことです。四方を山に囲まれていて自然豊かですが、思った以上にまちは大きくて生活に便利なお店も多く、研修期間を過ごす場所として魅力的でした。

コメディカルの方々や患者様など、穏やかな人が多いです。先生方もよくおっしゃっていますが、都会の病院にあるようなトラブルは起きにくく、病院内は穏やかです。
医局の雰囲気も良好で、分からないことがあれば指導医の先生方に気兼ねなく質問でき、自分のペースで成長を実感しながら研修することができています。診療科ごとの壁がなく、お互いに気軽にコミュニケーションを取っている姿があり、そういった点でも働きやすいと感じます。

私自身はあまり苦労だと思っていませんが、研修医が少ないことでしょうか。年度にもよりますが、私の場合同期はおらず、初期研修2年目の先輩が1人いる状況です。勉強の進捗や研修での出来事などを自分と同じ目線で情報共有できる人が少ないので、同期の人数が大切だと思う方にとっては苦労する点だと思います。

海外の医系技官の方が高山に研修に訪れた際に、同行させてもらったことが印象に残っています。海外の医療行政について学ぶ貴重な機会となり、同時に高山市の地域医療についても見解を深めることができました。
高山市が属する飛騨医療圏はへき地診療所が山間部に点在していますが、そのほとんどが医師一人体制で対応しています。地域の方はいろいろな症状で診療所を訪れるため、専門領域以外であっても一人で対応する必要があります。医師に限らず、看護師やコメディカルも不足しており、へき地医療の充実は地域住民にとっても医療従事者にとっても切実であるとあらためて感じました。

指導医資格をもつ先生方が多く、専門性の高い医療について学ぶ機会に恵まれています。また、医師だけでなく、コメディカルなど他職種の方と交流する機会が多くあり、風通しのよい雰囲気の中で研修ができます。
毎年職員旅行を実施していて、私も参加させていただきましたが、異なる部署の方と交流する貴重な機会であり、普段業務では顔を合わせないメンバーとも打ち解けることができました。仲のよいメンバーで集まって、プライベートで食事をする機会も多く、研修医の同期が少なくても寂しいと感じることはありません。

内科系を専攻したいと考えています。久美愛厚生病院の研修プログラムは、2年目の後半20週は自由選択となります。自由選択の期間は、豊富な協力病院・施設から診療科単位で研修先を選択することができるため、久美愛厚生病院にはない内科系の診療科がある病院を選び、いろいろな科を経験して将来進む専門科を決めていきたいと思っています。
将来的には内科系全般を幅広く診ることができる臨床経験豊富な医師になることが目標です。今後のキャリアの中で、高山に戻ってくることも選択肢の一つとして考えています。

運転が好きなので、休みの日はドライブを楽しんでいます。近場なら高山市街地から少し離れた朝日エリアや奥飛騨へ、足を伸ばすなら富山や福井、長野まで。高山からだと北陸や東海、甲信エリアなど、どこでも2時間前後で行くことができ、ドライブがよい気分転換になります。高山周辺は魅力的な場所が多いので、2年間ではまわりきれないのではないかと思っています。

研修先を選ぶときは、見学に行って雰囲気を掴んでから決めるといいと思います。実際に足を運ぶことで研修のイメージが沸いて、自分に合っているかどうかを見極められますし、「思っていたのと違う」といったミスマッチを防ぐことができます。私の場合、実際に当院を見学して好印象をもったことが研修先を選ぶ決め手となりました。
市中の中規模病院はどこもそうかもしれませんが、意思表示をすれば希望に沿って色々なことをやらせてもらえます。その反面、何も言わなければ任せてもらえる裁量は少なくなりますし、受け身のまま2年があっという間に過ぎてしまいます。自分で目標を設定し、物事に主体的に取り組む姿勢があれば、充実した研修生活が送れるのではないかと思います。